「学びの共同体」ブログ

2023年10月の記事一覧

3年生の理科がおもしろい!

3学年 理科の授業。4人の小グループで話し合っていた内容がとても興味深い。

黒板には生態ピラミッドの図。いわゆる「食物連鎖」について学んでいるのでしょう。

ピラミッドは下から「C 植物」「B 草食動物」「A 肉食動物」の三層。

その中間に位置する「草食動物」が増えたら生態系はどうなるか?という課題についてグループで話し合っていました。

どのグループも様々なケースを想定し、いろいろな意見を出し合っています。

「Bが増えたらCは食べられて減るよね?」

「そうしたら、そのうちBが食べ物が無くなって減るよね?」

「だったら、Aだけが残る?」

「Bが減ればAだって減るでしょ? 食べるものが無くなるんだから。」

「A同士って、お互いに食おうとする?」

「おぉ。それな!」

「はい! 絶滅ぅ~!」

「Bがいなくなったら食べられないから、Cってまた増えないの?」

「おぉ。あり得る!」

「えぇぇ。わかんない。どうなるのぉ~?」

  

さあ、どうなるのでしょう。

生徒全員一人残らず思考する、とても良い授業でした。

「正しくおしゃべり」する

1学年のある授業を訪問した際、いつもおしゃべりが多い生徒Aさんが静かに座っている。どうやら、校長が教室に入ってきたことで緊張しているらしい。本人曰く、いつもおしゃべりしてしまうのは『わからないから』とのこと。

『わからないから おしゃべりする』 このことを「ダメだ」と禁じない。

ただし、《 正しくおしゃべり 》すること。

わからない・できないからといって関係のないおしゃべりが始まるのはいけませんが、「わからない」「どうやるの」「教えて」「どうして そうなるの」・・・。このようなワードはむしろ積極的に発せられるべきです。

教科書の問題を解くように指示されたAさんは、「わかりません」「どうやってやるんですか」という言葉を自分から発することができました・・・、先生に向かって。

残念! せっかく4人の小グループで授業を受けているのだから、そこはグループの仲間に向かって言って欲しかった。

しかし、次の課題に移った際には、近くに先生の姿がなかったこともあってAさんはグループ内の仲間に「わかんない」「どうやってやるの?」と声をかけました。

正しいワードを、正しい相手に向けて発した《 正しいおしゃべり 》です。

教える側の生徒も、単に答えを伝えてしまうのではなく「ここが もしこうだったら、ここはどうなる?」と、とても上手に考え方を伝えています。素晴らしい。

Aさんは「わかったぁ」と喜び過ぎて早とちりしてしまい、答えは違ってしまいましたが、どうすれば「わかったぁ」にたどり着けるのか。その方法には気づけたのではないでしょうか?

 

 

生徒が生き生きと学ぶ授業③ ~「学びの共同体」へ ~

 現在、在家中では「学びの共同体」を基にした授業づくりを進めています。今年度中には全教科、全先生方の授業をこの形態に移行させたいと考えています。

教室を訪問して、室内が4人グループの机配置で構成されている、一斉授業の形態ではない、これだけで授業が生徒のものであり、生徒一人一人がそこで学ぶことが楽しいと感じるのがわかります。

一斉授業と比較して生徒から発せられるパワー、エネルギーが明らかに違います。

フラッと教室を訪れた私が楽しいと思うのですから、1時間その教室で学ぶ生徒はずっと楽しいに違いありません。

本日は3年生の国語で楽しい授業を参観しました。詩人 石垣りん さんの「挨拶 — 原爆の写真によせて —」を使っての授業です。

グループ内の4人が、本文の中で気になる語や表現、自分なりの解釈などを話しています。側で聞いている私が「ん?」と思う解釈もありますが、すぐさまグループの中からその点について「私はこう思うんだぁ」と別の解釈が述べられます。「ここにこう書いてあるから、僕もそっちじゃないかな?と思うなぁ」「えっ? 〇〇はどう思う?」とグループの仲間に意見を求めます。このような対話が続き、点と点だった解釈がつながり始め、作者が意図したであろう詩の内容にどんどん近づいていきます。

教室に座ってさえいれば先生が答えを教えてくれる、板書を写し取りさえすればテスト勉強はできる。そんな授業ではなく、自分たちの力だけで詩の内容を理解し、深めていく授業でした。「わかるって楽しい。できるって楽しい」の前段階である「考えるって楽しい」を教室の生徒全員が感じていることでしょう。